G.H.Q.の後押し

 1946年3月5日、G.H.Q.の招きで来日したアメリカ教育使節団は、到着からひと月も経たない3月31日に報告書を提出し、その中で学校教育における漢字の弊害とローマ字の便を強調すると同時に、第二章「國語の改革」内で日本政府に漢字の廃止とローマ字の採用を勧告した。

 以下に報告書の本文を引用する。

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「日本の國字は學習の恐るべき障害になつてゐる。廣く日本語を書くに用ひる漢字の暗記が、生徒に過重の負擔をかけてゐることは、ほとんどすべての有識者の意見の一致するところである」

使節團の判斷では、假名よりもローマ字に長所が多い。更に、それは民主的公民としての資格と國際的理解の助長に適するであらう」